社会学的考察:自習室で濃厚なキスをするカップルたち

香港留学後半戦、1月以降は特に自習室や図書館にこもってひたすら机に向かう日々が増えた。自室だとなかなか集中力を保ち続けるのが難しいので、24時間空いている自習室や23時まで空いている図書館にいき、勉強をしていることが多い。僕はICUにいた頃も図書館で一人勉強をしている時間が長かったのだが、非常に静かで集中しやすかった。みんなちょっと久しぶりに出会った友人と話をするにしても小声で周りに迷惑をかけないようにする。今思うとこの「モラル」、というか「文化」というべきだろうか。気づかなかっただけで特殊なものだったのではないだろうか。

僕は基本的に騒音があまり得意ではなく、勉強をする時には静かな環境で周りを壁に囲まれているくらいがちょうどいい。しかし、時たま天敵が僕の前に現れる。それは「自習室で濃厚なキス(など)をしだすカップルの存在」である。普通にしゃべっているだけなら何も文句はない。しかし、静かな自習室、それも僕が好んで選ぶ観葉植物が近くにあり、周囲のおしゃべりもあまり聞こえないベスト勉強スポットに時に現れるこの「カップル」は自習室には異質な一際目立つ音を立て、僕の集中を阻害する。はたと気づいたのだが、そもそも観葉植物があってあまり目立たない静かなところこそ「カップルが濃厚なキス(など)をする」のに最適な場所なのではないだろうか。

奇しくも、僕の最適な勉強スポットとカップルの最適な濃厚なキス(など)スポットは完全に一致してしまうのである。ちなみに僕は過去3回同じスポットでこの場面に遭遇している。前回遭遇した際に読んでいた社会学の論文が”the social construction of knowledge”。なるほどこれはメッセージ性が強い。つまり、こうしてカップルが観葉植物を前にして諸々やってしまうことも「社会的に埋め込まれた知識」に基づいており、また僕がこうしたカップルに対して「うるせえ・・・」と感じてしまうのも「社会的に埋め込まれた知識」に基づいて判断しているのかもしれない。論文を読みながらその深いメッセージと天啓に心を震わせた。

そして僕はその場を去った。

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