学ぶ意欲の心理学レビュー① ~「好きを仕事にするな」の意味 ~

学ぶ意欲の心理学

今、「学ぶ意欲の心理学」という本を読んでいる。ここで取り上げられている例は確かダニエルピンクのTEDプレゼンでもあったきがするのだが、この例が、よく言われる、「好きを仕事にするのはよくない」に関わっているのではないかと思う。

学ぶ意欲の心理学~外発的動機付けの危険性

二つの例が取り上げられている。一つは猿の実験、もう一つが大学生を対象にした実験である。

学ぶ意欲の心理学~猿の実験

猿にパズルを与えます。最初はそのパズルを内発的な動機(うちから湧き出る興味や関心)に基づいて解いていきます。途中で解けたら餌を与えるようにします。すると、今度は餌が欲しくてパズルを解くのを頑張ります。その後、今度は餌を無くします。餌がなくなると猿はパズルを辞めてしまいました。

学ぶ意欲の心理学~大学生の実験

大学生にパズルゲームを与えます。片方の群はただパズルを解くだけ、もう一方の群にはパズルを解けたら1ドルの報酬を与えるようにします。結果、休憩時間でも夢中になってパズルに取り組んでいたのは報酬なしグループでした。

学ぶ意欲の心理学~考察

この実験からわかることは外発的動機付け、つまり報酬によるインセンティブは内発的動機を奪ってしまう可能性があるということです。冒頭の話に戻りますが、仮に好きなことを仕事にした場合、次のようなことが起こるのではないでしょうか。例えば本が大好きで編集者になった人がいるとします。この人は「本を作る工程の面白さ」「本そのものの面白さ」に惹かれて、仕事をするはずでした。しかし、途中から本を作ることはこの人の生活手段となり、その生活手段が会社による報酬、つまり外発的動機付けになってしまいました。きっとどこからか本を作ることそれ自体に面白みは感じられなくなり、徐々に外発的動機付けにだけ目が向くようになり、最後には本の工程には興味を失ってしまうのかもしれません。このような論理から「好きを仕事にするな」という言説が言われるのではないでしょうか。

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